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職場イジメに人権宣言をすることの意義と方法

職場イジメに対して、労働者は果たして無力なのでしょうか?じっと我慢しなければならないのでしょうか?そんなことは決してありません!ここでは、皆さんが高らかと職場イジメに「人権宣言」をするために勇気の出る考えを書いていきます。

職場イジメに対してただ黙っているだけでは、解決もしないし、改善されることもありません。職場イジメに立ち向かうためには、堂々と人権宣言をすることから始めます。このページでは、宣言することの意義と方法を説明します。

正社員だから安心?雇用不安は対岸の火事ではない。職場で人間宣言、の必要性

 労働者は、使用者のお金儲けの道具でしょうか?労働者派遣法が改正され、不景気を機に派遣労働者が契約打ち切りに当然のようにさせられ、雇用に対する不安が叫ばれてから久しいです。

 悲しいことに、同じ労働者も、「彼らは簡単に職を失う身分であることも承知の上だから、仕方ない」と言って、その現状を見て見ぬふりです。果たして、それが望ましいことなのでしょうか?

 今正社員で働いている人たちもいつ何時職を失うかわかりません。少なくとも、今より労働条件が切り下げられることは、当たり前のように行われるでしょう。

 その例を述べてみたいと思います。

(労働契約法 第10条)

[使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。  ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。]

 アンダーラインの引いてあるところを見てください。手続きを踏み、その内容が合理的であれば、就業規則の変更により、個々の労働条件も変えられる、と堂々と書いてあります。

 無茶な変更がされても、「ならば、手続きがいい加減だったり、内容が合理的でなければ無効で反論出来るだろう!」となりそうですが、そのいい加減な手続きや、内容の合理性の可否は手軽に素早く判断されません。判断は裁判や労働審判でなされるのです。裁判や労働審判!?大変面倒ですね。

 そうなると、横暴な使用者は「訴えるならどうぞ」となり、労働者は「面倒臭いから悔しいがやめておこう」となります。典型的な泣き寝入りです。そして、労働条件を下げれれれば生活は困窮するし、労働条件を下げられた時に反発したならば会社に目をつけられ、長い目で見ても不利な環境となります。

 労働契約法10条は、これからの職場内で濫用されそうな条文ですが、皆さんの職場では、理不尽であっても労働者の立場上、言うに言えない状況はいくらでもあると思います。法律で決められていても、それを言ったら会社で目をつけられるかもしれない、という恐怖です。

 こうなると、何も反論できない奴隷のようなものです。それは絶対避けるべきです。理不尽な行為が会社内でしにくい環境を作っていかねばなりません。

 そのためには、労働者一人ひとりが、自分の人権を大切にし、不当な扱いに屈しない、という「人間宣言」をするべきなのです。皆で立ち上がれば、社風は確実に変わります。

どうやって「職場での人間宣言」をするか

 方法はたくさんあると思います。何も高らかに宣言する必要などありません。いつでも一人でも出来る方法として、上司等に人格を傷つけられる発言をされた時は、その旨を伝える、というのも方法の一つとなるでしょう。

 「課長、その言葉私には酷な言葉です。これ以後はご遠慮願えますか?」でもいいのです。人間として、一個の人間としての感情を素直にぶつけるのです。

 会社のコンプライアンス窓口に、匿名の投書をするのもいいですね。不当な扱いがあったときに、多くの労働者が投書等で会社などに意見を言うならば、「感情ある人間ここにあり!」と意思を伝えることになり、立派な職場での人間宣言です。

 もし、不当な行為が会社ぐるみで行われているならば、するべき職場での人間宣言の手段は、行政機関への報告、労働組合の結成、でしょう。会社ぐるみの不当な行為は、悔しいですが、生易しいものではないです。数でも圧倒されます。

 であるならば、力を結集して、強力なバックも身につけて職場での人間宣言をするのが有効です。正直、会社ぐるみになってくると、その職場での地位も失うかもしれません。しかし、不当な行為に黙って従っていることよりも、遥かに自分自身の誇りを保つことができます。

 手段・方法はいくらでもあります。ポイントは、不当な行為に対して労働者のみんなが「NO!」と人間宣言すれば、会社に対して大きな影響を与えるということです。

 今職場でモノ扱いされているな、と少しでも感じているならば、職場での人間宣言をどうやってするか考えてみるといいでしょう。それは決して、わがままでも、子供じみた行為でもなく、勇気ある行動なのですから。